あなたは、自分の会社や取引先が不正や不都合な事実を隠蔽していることを知ってしまったらどうしますか?
この映画は、一人の監察医が大きな組織であるNFLの隠ぺい立ち向かう実話です。
アメリカンフットボールの人気はスゴイ
アメリカンフットボールの試合を観たことあります?
ほとんどの方は、「ない」って答えるのではないでしょうか?
私は、お付き合いで社会人リーグの試合を東京ドームで観たことがありますが、ルールはチンプンカンプンでどこが面白いの?って感じでした。
試合を観に行ったというよりビールを飲みに行ったようなものでした。
日本ではイマイチ人気のないアメリカンフットボールですが、本場のアメリカでの人気は半端ないんですね。
アメリカで人気のあるスポーツは、大谷選手が活躍する野球のMLB、渡辺選手や八村選手が活躍するバスケットボールのNBL、そしてアメリカンフットボールのNFLです。
なかでもダントツで人気があるのがNFLなんです。なんか信じられないですよね。
この映画は、そんな国民に大人気のアメリカンフットボールの不都合な事実を指摘した監察医の話です。
不都合な事実って何なのでしょうか?
ホームレスになったスーパースター
マイク・ウェブスター。
「アイアンマン・マイク」の愛称で親しまれ、ピッツバーグ・スティーラーズの4度のスーパーボウル制覇を支えたスーパースター。
そんなスーパースターであったマイクが、原因不明の異常行動により家族を捨てホームレス状態になり、車で生活するまでになってしまいます。
本人は頭の異常を訴えますが、脳のスキャンでも異常は見つかりませんでした。が、その後、車の中で死亡しているのを発見されてしまいます。まだ50歳でした。
原因は脳震盪(CONCUSSION)
その死因の究明をナイジェリア人のオマル医師が担当します。
そして、原因の度重なる脳震盪が原因であることを突き止めるんです。
人間には、キツツキなどの動物にある脳を守る衝緩装置がなく、人間の脳は60Gで脳震盪を起こします。フットボールで頭をぶつけた衝撃はなんと100Gもあるそうです。
オマル医師の計算によると、ウェブスターは、7万回以上の衝撃を頭に受けていたことに。
その衝撃により脳にキラーたんぱく質が発生し、脳を蝕んだことが原因だったのです。
巨大組織NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)
医学雑誌に発表すると、NFLはすぐに論文の撤回を求めて反応します。
ウェブスターの死因こそが不都合な事実だったのです。
毎週2000万人が渇望する試合を提供する大組織NFLにとって、死因がアメリカンフットボールだということはたまったもんじゃありません。
NFLがアメリカでどんなに影響がある巨大組織かは、映画の中の次のセリフでわかると思います。
「日曜日はNHLのものだ。昔は教会へ行く日だったが、今は彼らの日だ」
日本のプロ野球機構なんかとは全く比べ物にならないぐらい影響力をもつのです。
数々の圧力
脅しの電話の数々、オマル医師は信念を曲げません。そんな時、スティーラーズのチームドクターだったベイルズ医師から協力の申し出があります。 二人は、他の症例も調べ、ニューヨークタイムスで発表します。
大きな問題になり、コミッショナーが退任にまで発展しますが、新コミッショナーは、NFL健康安全会議で聞くふりをしますが、事実を認めません。そして、疾患とプレーの因果関係はないと決定づけます。
そればかりか、FBIを使って、上司を逮捕させたりして圧力をかけ続けます。オマル医師は退職、奥さんは心労から流産。
オマル医師は、ウェブスターに会ったことを後悔し、ピッツバーグを離れてしまうんです。
やはり巨大組織には勝てないんですかね。
新たな犠牲者
カリフォルニアに移って3年
NFLの役員までしたスーパースターであったデュアソンが自分の胸を撃って自殺します。
自分の脳を提供するから調べてほしい。という遺書が残されていました。
オマル医師の人生はどうなるのでしょうか?この先は書かないでおきますね。
信念を貫く
オマル医師は、信念を貫いたばかりに辛い思いをします。私たちの生きる世界にも多くの理不尽が存在し、日々葛藤しながら生きている人も多いと思います。
些細なことにいちいち突っかかるのはどうかと思いますが、明らかな違法行為や重大な倫理違反には立ち上がる勇気が必要なんですよね。
この映画で、オマル医師は後悔しますが、どうなのでしょうか?
目を瞑って何の行動も起こしていなかったら、もっと後悔していたのではないかと思います。
あなたは、どんなことであれば信念を貫き通せますか?
あきらめなどという言葉は私の辞書にはない。(ナイチンゲール)
確固とした信念のあるところには、心の動揺はなくなるであろうし、自分の所信をつらぬいてゆくこともできると思う。(松下幸之助)
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