創業1960年、100人超の行列ができ、最後尾は4、5時間待ちのおにぎり屋さん🍙
めちゃくちゃ食べてみたくないですか?
そんなおにぎり専門店を切り盛りする方が、11月8日・9日の朝日新聞朝刊「けいざい+」のコーナーに載っていました。
近江商人の三方良し
買い手よし、売り手よし、世間よし、という近江商人の「三方良し」をご存じですか?
良い商売とは、お客さんも商売人がともに満足して、社会にも貢献できるものであると言われています。今風に言えば、Win-Win-Winっていうやつですね。
この三方良しは、伊藤忠商事やホンダ技研など多くの企業が企業理念に取り入れています。
そんな、三方よしのおにぎり屋さんを経営しているのが、ご紹介する右近さんなのです。
買い手よし
右近さんは、おにぎり専門店「ぼんご」のお客さんになったのをきっかけに店主に裕さんと結婚したそうです。結婚当初はおにぎり屋さんを手伝う気なかったそうですが、スタッフが病気になりおにぎりを握るようになったそうです。
当時は今のように人気店ではなかったようですが、お客さんの要望に応えていくうちに具の種類がどんどん増えいき、今では57種類も。
おにぎりの具の種類を57種類言えますか?
梅干し、鮭、鰹節、スジコ、いくら、昆布、シーチキン・・・ギブアップです。
注文を受けてからお客さんの前で握られるおにぎりは、ご飯を残さないで食べるように具を多く入れられ、大きさはコンビニのおにぎりの2倍。
多くのお客さんの舌と胃袋を満足させ、まさに、「買い手よし」状態なのです。
そんな右近さんのもとには、脱サラしておにぎり屋さんの開業を目指す人々が、弟子を希望して訪れるそうです。
その中の方が、
「具の量は?」と尋ねると
「お客さんが喜ぶだけ入れなさい」と答えたそうです。
これが真の「顧客第一主義」ですね。利益ばかり追求しているどこかのダメ社長とはえらい違いです。
世間よし
店名【ぼんご】の由来には、楽器の「ボンゴ」、遠くまで音が響き、お客さんに届くようにという思いが込められているそうです。
右近さんに弟子入りして、巣立っていった方々のお店が全国にあるとのこと。
店名に込められた思いのように、おいしいおにぎりを握ることのできる弟子を育て、全国に送り出し、お客さんのもとへ届けているのです。
まさに、「世間よし」ではないでしょうか?
売り手よし
行列ができるようになったのは、数年前からで、大きくて見栄えの良いおにぎりが若者受けしSNSで発信されたのがきっかけで、右近さんが意図したものではないらしいです。
実際に、ホームページをみると素朴そのものです。(ご覧になると全ての具がわかります)
それでいて、今や繁盛店で、こうして新聞にも取り上げられるお店になったのは、下の言葉通りですね。商売とは、こうあるべき、という見本だと思います。
先義後利(中国のことわざ)
-道義を優先させ、利益を後回しにすること-
利益を追うのではない。利益は後からついてくる(稲盛和夫)
私ども子どもの時分によく親方から教えられたのは、商売人というものは、“損して得取れ”ということです。
松下幸之助,com
これは少し旧式な話でありますけれども、損して得取れ、損を惜しんでは商売人として成功しないということを言われたのであります。これは商売だけではなくて、人間全般に通ずると思うのです。個人、人間の社会生活に通ずることだと思います。
今日の言葉でいうならば、まずサービスからかかれ、サービスをして初めて成果が認められるんだということと同じことだと思います。(松下幸之助)
☆この記事を作成する際には、朝日新聞.2022-11-8,9.朝刊を参考にしました。
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