先月末に、京セラの創業者であり、日本航空を再建した稲盛和夫さんがお亡くなりになりました。稲盛さんの書かれた本は何冊も読ませて頂きましたが、この「心」は、ずっと手元に置いて、自分の心がダメダメの時に読み返しています。
心がすべてを決めている
稲盛さんは、おっしゃいます。
「人生で起こってくるあらゆる出来事は、自らの心が引き寄せている」
「いかなる災難もそれを引き寄せる心があるからこそ起こってくる。自分の心が呼び込まないものは、何ひとつ近づいてくることはない」
「現状が苦しくて苦しいほど、人はとにかく愚痴をこぼしたり、不平不満をもらしてしまうもの、それらはめぐりにめぐって自分に戻ってきてさらに悪い境遇を呼び起こしてしまうものなんだ」
心。より引用
愚痴、不平不満を反省します
この文章を読むと、私は心が痛いです。私自身、結構愚痴っぽいですし、不平不満もタラタラ言ってしまいがちです。
愚痴や不平不満を言っても、何も解決しないことはわかってはいるんですけど。
逆に気持ちがスッキリするどころか、愚痴っぽい自分にガッカリして、余計に落ち込んでいったりしてしまします。本当に、負のループしか起こしません。
多くの人が、自分の良くない境遇を「環境」や「他人」「運」のせいにしたして、愚痴ったり、不平不満を言ったりします。
何かを環境や他人のせいにしたからと言って、現在の境遇が改善したりするわけではないんですけどね。
私は、自分が愚痴や不平不満を言ってしまったときには、この稲盛さんのこの言葉を思い出すようにしています。ただ、同じ過ちを何度も繰り返してはいますが・・
「感謝の心」
それでも、悪いことは起こるもので、
そういった悪い境遇に出会ったしまった稲盛さんは、
「運命を巣内に受け入れ、腹を据えて仕事に没頭しだしたとたん、人生の流れは追い風に変わった。」
と、おっしゃっています。
運命を受け入れ、愚痴を言わずに目の前のことを一生懸命やれば、人生の流れは変わるのです。
倒産しそうな会社の社長が、土壇場で大逆転した話ってよく耳にしますよね。TVドラマでもありました。
そして、いかなるときでも、「感謝の心」をもって対処することが大切だそうです。
なぜなら、過酷な環境や厳しい出来事は、私たちの心を鍛えてくれるからです。
何に対してでも、つねに「ありがとう」
病気をして、「健康のありがたみがわかった」「ありがとう」
なかなか言えるものではありません・・みなさん、言えますか? 私は、その瞬間はとても言えませんが、あとで、そのように解釈するようにしています。
「謙虚さ」
「感謝の心」を育む源泉となり、よりよく生きるための根っことなるもの、それは、謙虚な思い、だそうです。
これは、わかります。謙虚な気持ちがないと、他人に対して横柄になってみたり、何かの成果を「俺がやった、俺のおかげだ」という気持ちになりがちだと思います。
私もこれには常に気をつけています。
「謙虚さはお守り」いい言葉です。
「利他の心」と「善なる動機」
そして、事業を興すときには、
それは人のためになるのか?
それは他を利するものであるか?
大切であると言っています。
つまり、事業を興すときは、他者を思いやるやさしい心、時に自らを犠牲にして他のために尽くそうと願う心「利他の心」
そして、その「利他の心」に基づいた「善なる動機」がないと成功しないといいます。
動機とは、物事を進めるときの土台です、
したがって、動機が不純なものであれば、何事もうまくいかない、ということです。ビルの基礎がしっかりしていないと倒壊してしまうのと同じです。
前にも書きましたが、会社の目的が「とにかく金儲け」だと考えている経営者は上手くいはずないということです。
ただし、「利他の心」といっても、最初から社会の為といった壮大で崇高すぎる理念ではなくてもいいそうです。仕事であれば、職場の仲間や取引先の人たちのためにできることからしていくということです。
その後に、地域の人などへと徐々に広げていけばいいのです。
人生の目的
また、厄介なことに、私たちの心には、自分さえよければいい、「自己の心」もまた存在しているものです。
「自己の心」と「自他の心」が心の中で同居し、せめぎあっているのです。
私たち凡人のできることは、「利己の心」をできるだけ小さくして、「利他の心」が占める割合を大きくしていく。
それこそが、人格を磨くことであり、人格を高めること。
だそうです。
そして、稲盛さんはおっしゃっています。
人生の目的は
・心を高めること
・人のため、世の中のために尽くすこと、すなわち「利他の心」で生きること。
― すべては、心に始まり、心に終わる ―
心。より引用
最後に
稲盛和夫さんのような経営者は、二度と出てこないだろうと新聞に書かれていました。
確かに、一時のお金儲け上手い経営者は、次から次へと生まれると思います。
しかし、人間性の大切さを説き、ご自分でも一生涯実践される経営者はもう出てこないような気がします。
これからも、稲盛さんの本を読んで、心を磨いていきたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
☆記事を作成する際には、書籍「心。」を参考にしました。
参考)著者名:稲盛和夫、タイトル:心。、出版社:サンマーク出版、発行年月:2019.06.25
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